シューマン・トロイメライを描いて理解する楽しみ
uさんが個人ワークで取り組んでいること
シューマン(schumann)作曲、「子供の情景」の中の「トロイメライ」(träumerei)は、32小節、たった1ページの小さな曲です。
この曲をオンライン個人ワークを受けていただいているUさんと一緒に、utena drawingを使いながら時間をかけて紐解いていきました。
ピアノを習いに来ている方にそのことをお話しすると、
「私もいつかトロイメライ弾きたいと思っていたんです。でも、そんなにすることがあるんですか?」
と不思議そうにそして、のぞいてみたそうにおっしゃってました。
そう、音楽は理解する、という楽しみもあるんです。
ということでその様子を紹介したいと思います。
Uさんは発展プログラム参加中なので、他のワークも受けながら、個人ワークを受けていただいています。
その発展プログラムの科目のひとつに個人ワークの自由テーマというのがあり、
それにUさんが選んだのがこのトロイメライでした。
ワークのたびに変化するこの曲のさまざまな表情にであうのは、私も本当に楽しいです。
描いて触れる・理解する・愛でる
世の中、一般的に、結論や目標にむかって、一つの答えに向かって練習を重ねたり、技術を磨いたりするほうが見えやすく、手応えもあろうかと思います。
だから、立ち止まって、いつまでも一つの作品を愛でるこのようなやり方は、珍しい、とUさんは言います。
それは演奏のために、ではあるのだけれど、それ以前にその曲に近づくために自分の感覚・理解の解像度をあげ、一歩、二歩とその曲の中に入り込んでいく、私は結構大事だと思うし、それが演奏を深くも楽しくもしてくれるんだと思ってこのワークを続けています。
Uさんの感想
Uさんは、ワークの後、
いつもちょっとした感想を書き留めて送ってくださいました。
*今日はどうもありがとうございました😊トロイメライ、抜け道ができて、息が通り易くなった感じがします😊
*昨日はどうもありがとうございました。地図を見ながら山登りしてる時って、山そのものに登ってるから、山そのものは見えない。楽譜を見ながらピアノを弾いてる時ってその感じに近い気がします。昨日のdrawingは離れたところから山を見てる感じでした。山の形、山々の連なり方や全体からみたその山の位置や高さなどなど、いろんな発見もあり、おもしろかったです!それにみかさんのdrawing、一枚の絵というか芸術作品のようで素晴らしかったです!
*昨日はありがとうございました😊昨日の構成はなんかしっくりいかず、うーん?🤔って感じでした。みかさんのdrawingを何回か真似して描いてみました。そもそも構成の意味は?と考え、最初にみかさんが、丸でもいい、描くことより感じることと言ってたことを思い出して色々描いてみました。丸でもいいのかも、、、
utena drawingの活用法
utena drawingを始めた頃は、その場で受講者さんの演奏が変わったりすることもあったので、そういう成果がはっきりと見えると、こっちのほうも結果を出さなければ、という責任感みたいなものに追われていたようにおもいます。
けれど、utena drawingそのものを楽しむってこともあるしutena drawingで音楽を聞く世界線がひろがればそれでいいし、もしかしたら、utena drawingでやってきたことがなにかに生きるのは、10年先なのかもしれない。
それでいいような気がしてきて、一回一回の個人ワークを私も楽しむことができるようになってきました。
このトロイメライシリーズも、
もちろん、私がトロイメライの全てを知っているわけではなく
Uさんと一緒に、この曲を愛でるうち私もいままでより、うんと、この曲をいとおしいとおもうようになってきました。
愛おしいと思うものを、奏でる。
自然、演奏してみたくなる。
そうやって染み出すように、音楽が生まれれば良いなと思います。
ワークを一通り終えて
やってみていかがでしたか
ワークのたびに新しい気づきがたくさんありました。
まだまだこの曲のこと知らなかったんやなあと思います。
演奏への反映はいかがでしたか?
演奏するのが楽しくなりました。こんなことってあるんやなあと。
どうやって弾こうかと悩むことが多かったトロイメライでしたが、自然に馴染んできました。
正解というのではないけれども、素直に音楽の方向に向かえる、というか。
それから、気がついたら暗譜ができていました。これも初めての経験でした。
演奏は満足していますか?
大きな変化をかんじますが、やりたいことが見えてきただけに、まだ、ああしたい、こうしたいという思いが湧いてきたので、まだ続けたいと思っています。
utena drawing