音楽プロセス体験をひもとく
・一人一人の感じることから始めるからこそ、音楽の仕組みを生き生きと捉えらる
・音楽が持っている力を、受け身ではなく、自分の中から感じることができるようになる
音楽プロセス体験は、utena drawingをやっていくときに欠かせない背景理論です。
まだ耳馴染みのない言葉だと思いますが、ここではそのあらましをお伝えしたいと思います。
はじまり
utena.m.fの関心はなぜだかずっと「音楽が生まれる場所」にありました。
音楽はどんなふうにして生まれてきたんだろう?
その問いがあまりに心を占めていたので、音楽を生業にしている人達がより良い演奏を目指すなか、まるで反対の方向、音楽のみなもとへ、体験の原初へ、と逆行していったのでした。
そうして、音楽の水底から拾ってきたいくつかの体験。
学びにくる人たちがふと見せてくれる仕草。
そんな中、自然発生的に生まれた、
「音楽の要素を描いて伝え合う」という方法。
後にutena drawingと呼ぶようになったその方法を使うことで、音楽は今まで気づかなかった扉をそっと開けてくれるようになりました。
”音楽が生まれる時”、それは誰しもが体験できることなのです。
でも、誰もが、そこに沸き起こるものを無意識に感じながらも、必ずしもそれが実感や演奏と結びついてない。
音楽が近くて、遠いわけ、はなるほどそういうことだったのか、と。
音楽と”私”のあいだにあるものをもう一度、捉え直してみよう。
音楽プロセス体験はutena drawingに導かれるようにして、構築されていきました。
音楽が生まれる3つの場所
成長のプロセスと共に
人類の歴史と共に
今ここ。音がなるところ
音楽プロセス体験の理論では、「音楽の生まれる場所」をこの三つと捉えています。
そして、実はこの三つの場所で生まれる音楽はすべて人の”体験”がベースにあるのです。
だから、この三つは体験として重なりを持っていて、とても似たプロセスで成り立っています。
音楽プロセス体験
感じることから学ぶ (utena drawing)
五感はつながっています。
聴覚だけではなく、視覚、触覚、さらに内的な運動感覚などが渾然となっている人の感覚体験から音楽に触れ、その中にある動き・質感・形や方向性・速度感・タイミングにふれてみたり、眺めてみたりして、音につながるリアリティを育てます。
ここでいう”感じることと”は、まずは感覚、そして感情、そして思考へと繋がります。感じることはまた気付きによって開かれ、自分で修正していくことが出来ます。
感じることをよりセンシティブに味わうためにutena drawing(音楽を描く)という方法を使います。
音楽の仕組みに触れる(音楽リテラシーワーク)
複雑な音楽の理論ももとは素朴な体験から生まれたものです。
そして、その体験の蓄積が楽譜のなかには息づいています。
できる、という結果だけではなく、その生まれる実感の追体験をすることで、使える音楽理論を内的に構築していけるように工夫しています。
内的イメージを形成し楽器や身体と結ぶ
直感的に美しいと感じる音楽も実際に自分で音にしてみるとなにか問題が生まれたり、つまらなかったり・・
そこには、2つ理由があって
・内的イメージが未形成であること
・インプットとアウトプットの落差の問題
内的イメージを育てながら、同時に自分の演奏に心寄せ、気づきを通して、ウチソトの差異を埋めていくことで、理想とする音楽を掴み育てる力としていきます。
結果を出すためになにかをするのではなく、音楽のプロセスを体験するうちに変化していく、それがutena.m.fがさがしている学び方です。
遊びながら何かを獲得してく子どものように。
こんな人のために
utena music field の「音楽プロセス体験」は、
演奏のレベルにかかわらず、こんな問いを持っている人のために。
音楽や楽器演奏の初心者・愛好家の方
音楽にふれてみたいと思い始めた人
音痴・リズム音痴と感じ悩んでいる
身体と音楽との隔たりを感じている
人と演奏するのが苦手
なかなか楽譜が読めない
単純に音楽が好き、描くことも好き
演奏家・音楽指導者
音楽のまだ未知の可能性に興味がある
音楽との抜き差しならない関係がもつれている
音楽には感覚を育む力があると思う
これまでの音楽教育に疑問を持っている
自分の指導法に迷いがある
自分の音楽をもう一度見つめ直したい
*音楽教室・セラピーなどで有償で活用する場合は、約束があります。
こちらを必ずご覧ください。→ utena drawing(音楽を描く)の商用利用について
音楽プロセス体験を学ぶところ
音楽プロセス体験理論のもと、レッスンを受けたい、
utena music fieldのワークは、全て音楽プロセス体験に基づいて行なっているので、音楽プロセス体験での音楽レッスンを受けたい、という方は各講座・ワークショップの案内に従って、ご入会ください。
自分に役立てたい、という場合は、ワークやレッスンの中で体験することが「音楽プロセス体験」なので、実践しながら、実体験で掴んでいけると思います。
また、音楽レッスン研究室で一緒に学んでいただいている講師も育ってきています。いつか、オンラインでなく、近くで参加できる時が来るかもしれません。
音楽プロセス体験の理論から学びたい
オンラインコミュニティがおすすめです。
自由散策コースで入会後、理論のテキスト(サイト記事・動画付き)を購入することもできますし、発展プログラムに参加すれば、毎月理論と方法のレクチャーをズームで行っています。
まとめ
utena music fieldのutenadrawing や音楽リテラシーワークの背景には、「音楽プロセス体験」という理論があります。理論を学ぶことによって、ドローイングの意味もわかってくるので、より理解度が深まると思いますので、ぜひ参加してみてください。