2024.08.11 u.dの活用例

大人ピアノレッスンのためのドローイング・ショパンのノクターンop9-2

ショパンのノクターンop9-2 (左パターンの流れ)

Chopin/NocturneOp.9 No.2

楽譜通りには弾けているけれど・・

大人のピアノレッスンでもたまに、

理解と体感を掴むために、utenadrawingを活用することがあります。

例えば、ショパンのノクターンno9-2を練習中のMさん。

左手の跳躍が大きくて、音を追いかけるのが大変で

なかなかを感じるところまでいかない。

弾けているのにノクターンらしく響かない、どうしたらいいだろう?

ここまで頑張ってるのに、というとき。

この左手のパターンを流れよく演奏するための体感を掴むために

utenadrawingをやってみました。

8分の12拍子の体感

この曲は本来8分の12拍子。変わった数ですね。

冒頭のひとフレーズがまるまる一小節に収まる長さです。

ピアノ初心者は、この拍子感を即座には理解がむずかしいかもしれません。

それどころか、演奏の達者な人や、プロでも、この拍子感を一体どのくらい意識しているものか・・・

そして、それをどのくらい演奏に反映させるか、っていうのもありますね。

まずはもう少し小さい単位で体感を掴んでいきましょう。

8分音符が一拍の拍子は、必ず3拍で一括りになっています。

Mさんの場合、最初は、その3拍を生真面目に1・2・3と聞こえてきそうな感じで弾いておられました。

右手だけだとなめらかに優雅にメロディを歌わすことができるのに、左手と合わせた途端に、1・2・3となってしまうわけです。

一小節でくくるように歌っていってね、というのが、この拍子を設定したショパンの指示ですが、

これ、結構息が長く、イメージが難しいし、そういう観点でやったことのない人にとっては、それでやっても息切れする感じで苦しくなるかもしれません。

そこで、Mさんの様子から判断して、今回は、3拍(八分音符3つ分)を一括りで感じるワークをやってみることにしました。3拍を1・2・3と数えるのではなく、一括りの動きと捉えるということです。

私が演奏しながら、描いてもらいました。

音楽とダンスするような気持ちで。

とても、楽しそう。

描いた後、

そして、「なるほど」と、「やってみます」と。

演奏ががらりと滑らかになっていました。

それによって、右手が左手に支配されるような感じではなく、右手のメロディがうんと息をしやすくなり、解放されたような演奏になっていました。

本来のこの拍子感には、まだやることがありますが、ひとまず、この『3拍で1』

の体感を掴んでいただけたようです。

ここから先は、弾きこなし具合をみながら、6拍単位、12拍(1小節)単位の体感も掴んでいきます。

ノクターンの流れを止めてしまう左手は、描いて捉える

まとめ
utena music fieldには、ピアノを学びに来る大人の生徒さんもおられますが、

うちのお家芸のドローイングをいつもするわけではありません。

でも、ここはどうしても、というところがあって、たとえばこうした左手の伴奏が、メロディの邪魔をしてしまう、というときです。

この、ショパンのノクターンon9-2もそうですが、他の楽曲でも、メロディの流れを止めてしまう左手の流れは、描いて体感を掴むことによって、随分と楽になるものです。

ちなみにこの生徒さんは、この曲の後に、「乙女の祈り」「ベートーヴェンのピアノソナタ悲壮の3楽章」と取り組んでこられていますが、この時のワーク以来、すっかり流れを掴み方がわかったようで、それ以降はドローイングしなくても私とのフィーリングでつかんでおられます。


utenaのドローイングと、「実感と音楽を結ぶプロセス」を学んでみませんか?

*注・utenadrawingの商用利用をお考えの方ははutena music fieldでの専門的な学習が必要です。
詳細はこちら→音楽を描く(utena drawing)の商用利用について


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