リズムが取れない、という相談もよくお受けします。そういう人は、リズムのベースである拍や拍子に思いが至っていない、ということがあるようです。リズムを取ろうとしたときに、音符だけが目に入ってる、という人は、このタイプ。
そこを少し知識としても体験としても拍や拍子と仲良くなっていけば、リズムに対する意識は随分変わってくるはずなので、そのことについて書いてみました。少し長いですが、この記事を読んでみてください。

拍を体験するー細胞を体験する

西洋由来の音楽はたいてい、「拍」を持っています。
一拍・二拍というときの拍、で、音楽の時間の基準となります。

拍の一個は、たとえば 西洋建築のれんがの一個、
生き物の細胞の一個 のようなものです。
これを実感で捉えること。
ここからがリズムのスタートです。

brown brick wall

例えば、美しい陶器を作るにも元の土、洋服を作るにもその生地、の上に作品が仕上がっていくわけで、音楽だって同じ。よい下地を整えることができたら、その上は積み上げやすくなっていくものですね。だから、その下地をどうやってる作っていくか、ということが意外と大事。

この 「一拍」に対する体感やイメージが薄いと、せっかく音楽に心通わせていてもいざ自分で何かやってみるという時に、噛み合わなくなってきます。それは、プロ・アマ問わず、おこっている現象、と私は講座をやっていてよく感じます。

だから、リズム音痴、と思っている人も良い布地をもとめてみることから始めてみる、音楽歴の長い人も基本に立ち返ってみる、ということ、つまり、拍にもどってみる、ということが、どれだけ大事かということなのです。この下地の積み重ね方を丁寧にやっていけば、変わってきます。

でも、綺麗でも無機質なものは応用が効かない。均質であればいい、というだけではない、と思うのですね。これもとても大事なことなので、このことも考えてみましょう。

拍は単純でつまらない?

リズムが上手く取れない時、メトロノームでガッチリ枠組を作ろうとしますが、拍は「枠組み」と捉えるととっても窮屈で退屈です。それに、拍にとらわれてしまうと、音楽も堅物でつまらないものになります。でも、別の捉え方があります。

メトロノームでは捉えられない、拍から拍までの間のプロセスを捉えるのです。それを描きます。そうすると、拍というものが生きていること、点ではないことに気付くでしょう。

拍は音楽を固めるのではなくて、脈動として、音楽を支えているものなのです。

それはポップスだろうとロックだろうとクラシックだろうと一緒。

拍とともに時間を共有するものたち

なにはともあれ、
一拍が基準!
というところからはじめていけば、後は音楽の理論自体は案外シンプルで、そう難しくないはずです。
拍を数ごとにくくれば「拍子」となり、これが音楽の推進力となります。

そして、拍や拍子よりうんと自由なリズムを翻訳しているのが音の長さを表す音符でその音の長さのことを「音価」といいます。音価はいつも「一拍に対して・・・」どうか、ということなので、ここでも一拍というのが大事な基準になっているのです。

理屈自体は、どんなに複雑なリズムもこのくらいの基本が理解できていれば後は応用でいろんなリズムを理解することができます。

拍・拍子について、youtubeでもお話しています。

これは音楽リテラシーワークブックに合わせて作った動画です。

拍とリズム・拍子を捉える体感

リズムの基本として、例えば3拍子だったら強弱弱を繰り返す、ということがよく、言われます。一拍目が強拍であとが弱拍、 4拍子だったら 強弱中強弱、といいますね。間違ってはいないのですが、この捉え方は、拍と拍子の関係性が平面的、2次元的なものになってしまいます。

音楽を聞いていて結果、そういう風に聞こえる、のだけれども、拍と拍子の関係が もっと有機的で立体的なものと感じられる時、拍と拍子の関係は、もっと自由なものになります。同じことがリズムと拍のあいだにもいえます。

理論としてはシンプルなものですが、それを体感として捉えるとき いかにそれを生け捕りにするか、という難しさが生まれてくるのです。そして面白さが!

しかも音楽はリズムだけではありません。メロディには音の上がり下がりもあり、それも分かちがたく共存していて、一つの美しい音楽になっていますし、さらに、複数の楽器で共有していく音楽といったら、もう、素晴らしい風景で大変な情報量です。
そこが、さらに大変?そうですね、扉を開こうと思ったら、いくらでも奥行きがある、音楽はそういうものですね。
まずは、不慣れなのだ、とわかっておいてください。そして、難しいところへ突っ込んでいっては、落ち込む前に、拍と、とにかく仲良くなりましょう。そこから発生の原理に従って自分の音楽を育ててみてください。

その方法として、utena music field では、utena drawing という方法を持いています。
意識が途切れがちな拍も、こうすれば持続して体感を作っていくことができます。

utena drawing でアプローチする

utena music field が行っている utena drawing というワークは 音楽の要素を動線として表してみます。
そして、まずは音が点ではないことを再認識してみます。(きっと誰もがそれは気がついているのです。)その小さな動きを自分の中から引き出すことを試みてみましょう。

音楽リテラシーワークブックより

この方法も、utena drawing の一つ。線を描きながら、歌ってみます。

拍子の数で折り返したら、こんな感じで繰り返すことになります。

カウントしなくてもすっと入ってきます。

*図では4分音符が基準のもの、8分の6拍子もまたシンプルな幾つかの法則性でできています。

リズム感がない、という方も変わってきます。

utena music field はちょっと変わっていて、できるようになるにはどうしたらいいか、とは考えないんです。できない、ってなったときに何が起こってるのかな、と考えます。

それでみえてきたことが、「リズム感がない」と思っている人の多くは、リズム感がないんじゃなくて、拍・拍子に意識がいっていない、ということでした。

音楽ともっと仲よくなりたい、と感じているいろんな立場の人たちに、是非やってみていただきたいです。utena music field のこの方法を音楽プロセス体験、と呼んでいます。

体感と理解から音楽の聴き方を 補修し、演奏や生活に結びつける方法です。