リスト作曲 愛の夢第3番
アナリーゼ/リスト作曲 愛の夢第3番
リストの愛の夢第3番( Liszt/Liebestraume)は、4分の6拍子。
ちょっと不思議な拍子で、右のアルペッジオを八分の六の感覚で弾いてしまうと、大事なたゆたい感がなくなってしまう。
メロディは内性的に内側に渦を巻く
最初のフレーズの音高を参加者さんとutena drawingで読み解いたのが下の写真。
渦を巻くようにして、主音へ向かう、主題。
音高を描くようになってから、気がついたのだが、
このように内側に向かった渦のような動きをするフレーズはよくある。
そして実際、単に音高を追うだけでなく、渦として描くことで、そういう曲が本質的にもっている流れに自分を寄り添わせていくことができると思う。
リスト作曲愛の夢第3番は、3曲からなる歌曲をピアノ曲に編曲したものの3曲めの曲。
原曲のフェルディナンド・フライヒラートの歌詞。
異性に対する愛ではなく、神様のもと、人と人の愛がテーマなのですね。
「愛しうる限り愛せ」
O Lieb
(Freiligrath)
O lieb, so lang du lieben kannst!
O lieb, so lang du lieben magst!
Die Stunde kommt, die Stunde kommt,
Wo du an Gräbern stehst und klagst!
おお、愛しうる限り愛せ!
その時は来る その時は来るのだ
汝が墓の前で嘆き悲しむその時が
Und sorge, daß dein Herze glüht
Und Liebe hegt und Liebe trägt,
So lang ihm noch ein ander Herz
In Liebe warm entgegenschlägt!
心を尽くすのだ 汝の心が燃え上がり
愛を育み 愛を携えるように
愛によってもう一つの心が
温かい鼓動を続ける限り
Und wer dir seine Brust erschließt,
O tu ihm, was u kannst, zulieb!
Und mach ihm jede Stunde froh,
Und mach ihm keine Stunde trüb!
汝に心開く者あらば
愛のために尽くせ
どんな時も彼の者を喜ばせよ
どんな時も悲しませてはならない
Und hüte deine Zunge wohl,
Bald ist ein böses Wort gesagt!
O Gott, es war nicht bös gemeint –
Der Andre aber geht und klagt.
言葉には気をつけよ
悪い言葉はすぐに口をすべる
「ああ神よ、誤解です!」と嘆いても
彼の者は悲しみ立ち去りゆく