ショパンの前奏曲28−15(雨だれ)まるで前菜だけのフルコース料理のような。
ショパンの作品28プレリュードの15番 雨だれ
ショパンは自分の作品に名称をつけなかったので、雨だれ、というのは通称。なにかで ショパン自身はこの通称に異を唱えた、というのを読んだ気がします。
雨だれ、と呼ばれる所以は、内声で繰り返される同音のオスティナート(楽語どうりの意味で)にあります。
このオスティナートを聞き取るために、どうしたらいいかな、と考えて描いたのが写真。
ちなみにプレリュードを日本語に訳したのが”前奏曲”で、
本来は、なにか別の楽曲の前・・・オペラとかバッバだったら平均律とか・・・の前に添えられる比較的小さな楽曲のことをPreludeといいます。
いわば本題の前に添えられる前菜的な楽曲ですね。
ところが、この全調24曲からなるショパンのプレリュードは、小品というところがそれらしいだけで、ただただ、前菜が24皿並んでいて、「メインディッシュの方はご想像におまかせします、」というような組曲です。
そして、想像を掻き立てる24個の、個性もあるし、なかなかにクセもつよい楽曲が並んでいます。
その中の15番目が 雨だれ。
ドビュッシーもショパンに習ってか、前奏曲集を書いています。
改めて曲を思い起こしてみると、ショパンもドビュッシーどちらの前奏曲も、まるで、絵本の表紙絵のようでもあります。
・・・なので、たしかにたしかに、最初のページ、「雨だれ」と呼びたくなる気持ちはわかるし、ある意味まんまとショパンの手に乗ってしまってつけたくなった人がいるんだろうけれども、あまりそのイメージにはとらわれないで、「それもひとつとしてありね。」くらいで捉えてみるというのはいかがでしょう?
先入観なしで、ただその音楽とむきあってみる、ってのも、大事。それで改めて、このオスティナート、もう一度聴き直してみるというのはいかがでしょう。
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