2019.08.02 未分類

音楽プロセス体験(音楽の生まれる場所から)

utena music field の原点

utena.m.fの関心はなぜだかずっと
「音楽が生まれる場所」にありました。

そして、生徒さんと体験をともにしたり、
やり取りを工夫するうちに
音楽が生まれる場所には3つある、と思いました。

でも、
そこに沸き起こるものに誰もが無意識に感じながらも
必ずしも実感や演奏と結びついてないことに、気がついたのです。
多くの音楽に関する悩みやトラブルもそこに起因している、
という気付きから、utena.m.fのメソッドは始まっています。

音楽が生まれる3つの場所

自分自身の感覚が
作り出す場

人類の歴史の中の
プロセス

いま、ここ。
という音がなる場

utena music field は、「音楽の生まれる場所」をこの3つと捉えています。

音楽プロセス体験

3つの場から立ち上げる音楽と、全体性へのアプローチ

感じること・雫

感じることから学ぶ

五感はつながっているので、聴覚だけではなく、視覚、触覚、さらに内的な運動感覚などが渾然となっている人の感覚体験から音楽に触れ、その中にある動き・質感・形や方向性・速度感・タイミングにふれてみたり、眺めてみたりして、音につながるリアリティを育てます。感じること、とはまずは感覚、そして感情、そして思考へと繋がります。感じることはまた気付きによって開かれ、自分で修正していくことが出来ます。

音楽の仕組みに触れる

音楽とは、様々な時間が織りなす多相のものです。複雑な音楽の理論ももとは素朴な体験から生まれたものであり、その体験の蓄積が楽譜のなかには息づいています。できる、という結果だけではなく、その生まれる実感の追体験をすることで、使える音楽理論を内的に構築していけるように工夫しています。

purple lavender over music sheet

boy in white long sleeve shirt playing piano

内的イメージを形成し楽器や身体と結ぶ

直感的に美しいと感じる音楽も実際に自分で音にしてみるとなにか問題が生まれたり、つまらなかったり・・

そこには、2つ理由があって
内的イメージが未形成であることと、インプットとアウトプットの落差の問題。

内的イメージを育てながら、同時に自分の演奏に心寄せ、気づきを通して、ウチソトの差異を埋めていくことで、理想とする音楽を掴み育てる力としていきます。


結果を出すためになにかをするのではなく、
音楽のプロセスを体験するうちに変化していく、それがutena.m.fがさがしている学び方です。
遊びながら何かを獲得してく子どものように。
これを「音楽プロセス体験」と名付けました。

こんな人のために

utena music field の「音楽プロセス体験」は、演奏のレベルにかかわらず、
こんな問いを持っている人のために。

音楽や楽器演奏の初心者・愛好家の方

音楽にふれてみたいと思い始めた人

音痴・リズム音痴と感じ悩んでいる

身体と音楽との隔たりを感じている

人と演奏するのが苦手

なかなか楽譜が読めない

単純に音楽が好き、描くことも好き

演奏家・音楽指導者

音楽のまだ未知の可能性に興味がある

音楽との抜き差しならない関係がもつれている

音楽には感覚を育む力があると思う

これまでの音楽教育に疑問を持っている

自分の指導法に迷いがある

自分の音楽をもう一度見つめ直したい

3つの場音楽を体験するのは・・・

音楽が生まれ育つ3つの場
それらを育てるのはその人、
あなたです。

あなたがもしも、音楽に対する疑問や悩みを持っていて、
その解決方法が見つからない、というのなら、
もしかしたら、それは、
「できるようになる」という結果に自分を合わせるのではなく
自分自身の感覚を耕していく方法に、まだ出会っていないだけのかもしれません。


utena の講座では、
より直感される音楽体験に、実体験が重なるように全体性を大切に考えます。
その人が音楽する基本的な下地のできるお手伝いをしますが、感覚を育んでいくのはその人の他にできる人はいません。

それらはごく基本的なことですが、非常に重層的です。音楽プロセス体験はその重層的に入り組んだ音楽のしくみが、統合された一つの体験となり、独り立ちするまでの学習方法の工夫の数々です。

この方法は導入時は、新鮮できっと楽しい時間を過ごせるものと思います。

でも、さらにこの方法を進んでいくと、今まで失っていた自分を取り戻すような素晴らしい体験にも出会うかもしれませんし、逆に、自分自身の中にある「音楽との壁を作っているもの」との対決を余儀なくされるかもしれません。

でも私は、誰にとってもこの方法をやってみる価値は大きいと思います。

場合によっては、目的は音楽ではなく、こうした体験を育て、人の成長プロセスにはたらきかけていくことともいえるかもしません。

いずれにしても、
音楽は人の成長とともにあります。

音楽プロセス体験を行っている場所

utena music field では、音楽プロセス体験という感じ方考え方、方法論と
軸を一つにしながら3つの角度を変えたアプローチをしています。

1,3つの場をつなぐことばとして生まれたutena のドローイング

あるとき、子どもたちに、音楽の要素を描いて説明してみたのです。
理屈ではなく、体験を伝えたかったのです。

そしたら、子どもたちは「描いてみたーい。」と飛びついてきました。
驚いたのは、子どもたちの変化。
そうして
音楽を動線におきかえて、
描いてやりとりする

という方法がうまれたのでした。

これを実際ことばのようにしてやり取りし、伝え合ううちに、
この「ことば」は自ら育つ樹木のように必要に応じて枝分かれし、今も発展中です。

これをutena drawing(u.d)あるいは「音楽を描く」と呼んでいます。

u.dは、場面場面でその役目を変えながら、3つの音楽が生まれる場所からの音楽を示唆してくれました。
そして、そこから実感のある音楽を育む具体的な方法を模索することができるようになってきました。

2,音楽を読み、書きするための感覚的なもののトレーニングとして

utena drawing で人と音楽のあいだの出来事にかかわるうちに、
音楽への思いがあるのに、どうしてつまずくのか、なにが聞こえていないのか、
を観察することができました。

音楽理論の知識と実感の間を埋めていく作業が、これまでの学習方法には足りなかった、そのことをutena drawing は教えてくれました。そうして、理解と実体感とのあいだを埋めていく情報のやり取りが必要だと感じ、そこから、音楽リテラシーワーク(音楽リ論)ができました。
リテラシーとはよみかき使えると言う事です。音楽体系の中にもともとある人の体験を再現していきながら、理論を学ぶことを目的としています。その方法によって自分自身の感覚を開いていく可能性がうんと広がってきます。また音楽はそうした感覚の広がりを育むよい環境でもあるのです。

初歩者が 音楽を学ぶ理想的な方法として、utena drawing と音楽リテラシーの両面からアプローチしていく事 をお勧めします。


これらの方法、utenaのメソッドを「音楽プロセス体験」と呼んでいます。

3,音楽教室から音楽室へ。そして先生から伝達者へ

そうした音楽の伝え方に触れていくなかで、
個々人の体験から音楽プロセスを引き出してくるために、「音楽教室」という今までの枠組みも変えていく必要を感じています。私の教室は「教室」をやめて「音楽室」に変えていっています。
東温市の音楽教室では、もともと、子どもも成長に合わせた音楽体験を重ねながら学習していく方法を工夫してきました。それでも、既成の概念のもとでの学習にはどうしても同じ轍にはまってしまいます。いっそ、教育というものの概念も変えていくべきであるかもしれません。音楽は教育であるまえに、芸術です。芸術ってなんでしょう?そこを掘り下げる必要があるのです。音楽だからこそできることがあるはずです。教えこむのではなく伝える人として生きる方向は、私自身もより健全な音楽生活をもとめられるようになり、幸せを感じています。

そして、2021年から、同じ音楽教室仲間の方々に向けてもメッセージを発信し、拙いながらも私がここまでたどり着いたものをバトンタッチして、生徒さんとの関わりに役立てていただきたい、と考え、オンライン化をすすめながら、音楽教室支援ワークをはじめることとしました。

さらに・・音楽を超えて、音楽の社会的意義を見出すために

さらに、私は、音楽が音がなる前に生まれているとするならば、そこに人の体験というもの、感覚や感情や思考が注ぎ込まれているならば、そういう深度にある音楽の源は、音楽以外のジャンルにも生かしていけるのではないかと考えています。

実際、音楽は古くはギリシャ時代から医療としても活用されてきました。
もしかしたら、音楽の源の活用範囲はもっともっと広いかもしれません。音楽プロセス体験は音楽の源をたどるワークでもあります。

それぞれの専門性と音楽をむすんでみる、という方法として、このutena drawingを使った音楽プロセス体験は役立つと考えています。私はそのまだ未知の音楽の可能性に興味があります。

音楽を楽器演奏にとどまらず、深く人の営みに作用する力として活用したい、と考える人のために。この音楽プロセス体験を経た人たちと研究会を作る予定です。

音楽の初心者も、プロも教育者も、門外漢も。もしこの記事を読んでなにか琴線が揺れた方。是非まずは一度、体験 してみて下さい。