東京グループワーク日誌2/11
東京ワークショップ
2019/2/12の日誌
雪の落書き
誰かにお題をもらって、それを5秒で描き表す、という遊びをした。
これは、気楽にクレヨンを動かして、とにかくアウトプットの練習。
ライオン、とか、ネズミ、とか、電車とか、とっさに思いついたのを口にだしてもらって、他の人が描く。
うまい下手を気にしない。
ウルトラマンなんかみんな傑作で、みんなで大笑い。
これは、「描きながら考える」という本に書いてあった、らくがきが楽しくできる方法。
それで、一つおもしろい発見が・・
私が雪、と言ったとき、
3人の人が描いた絵、あとから思い出して私が描いたのが、上の鉛筆書きなんだけれども、(下手ですみません、というか下手でいいんですってば)
これ、みんな、ちゃんと雪に見えてて、ちゃんと雪を描いている。
でも、違う絵だ。
同じ雪でも違う捉え方、近寄って見るか、状態を見るか、動きをみるか。
これはつまり、フェーズが違うってやつ。
utena.m.fではよく「フェーズ」とか「多層」「多相」という話をする。
音楽のいろんなフェーズに親しんでいきましょう。
正解は一つじゃないし、正解もいろいろ揺れるし、
という話。
ドビュッシーの「雪の上の足跡」
ドビュッシーの前奏曲集の中の一曲「雪の上の足跡」(Debussy ,Des pas la neige)は、ゆるい4拍子の曲。速い拍も掴みづらいけれど、レント(とてもゆっくり、の意)の曲もなかなか難しい。
けれど、そのたった一拍の中にある出来事は豊か。拍、というフレームが身につくことによって、その、出来事、が耳に入ってくる。
内声で、ずっと鳴り響いている、足跡、下駄の音。一拍の半分を3分割したリズムは、微妙なニュアンスを醸し出していて、演奏するのもセンスが要る。若い頃は、この曲、全然雰囲気が出なくて、弾いては諦めていたのだけれど、それは、このリズムの繰り返しが、表現できなかったからだ。今回、ふと思いついて弾いてみたら、案外行いけるじゃあないか、ということで、講座に持ち込んだ。静かな時間を楽しんでいただけただろうか?
実は、この曲を選ぶ前には、モーツァルトの曲をしようと思った。でも、モーツァルトはとてもシンプルなのに、拍の中にいろんな方向からの微妙な風が吹いていて、それが軽やかさになっているので、初めて utena drawingにふれる人には、ハードルが高すぎる、と思ってやめた。モーツァルトについてはおいおい、またやりたい。
最後は思い思いの場所で、思い思いのリラックスした姿勢で、クレヨンを持たないで、演奏を聴いた。