音程がとれない、という人に起こっていることと、描いてわかる音程感の修正の仕方
音程がはずれたり、合わない、ずれていく、というとき
何が起こっているのか、
どういう学習法、そして気づきが綺麗な音程感に近づけられるのか・・・
ここutena music fieldでは
音楽は音と音の間にあり、体験もそこに育つ、
という「音楽プロセス体験」に基づいたレッスンを受けていただいています。
そこでわかってきたことがあるので、ご紹介したいと思います。
![音程を取るためのドローイング・音痴改善](https://i0.wp.com/utenamuse.jp/manage/wp-content/uploads/2024/02/90fd0bf0876fe7486e14767a29b386a9.jpg?resize=700%2C516&ssl=1)
音と音の間にある出来事に気づく
絶対音感がなければ音はわからない?
絶対音感がなければ音は取れない、と勘違いをされている人がとても多いと感じています。
でも大丈夫そんなことはないです。はっきり言ってこれは間違いです。
そういう方は
「今日は、ミのおとがレに聞こえるから調子が悪い。」
と呟いたりされています。
大丈夫です。
なっている音を言い当てられない、ということは問題ではないんです。
それで音程が取れないわけじゃないんです。
おそらくは、情報の偏りによって、音の高さは絶対的位置がある、というイメージが固化してしまっているのでしょう。間違いではないのですが、一面的です。
もし、音が点で固定されているとしたら、その点を行ったり来たりすることでしか音楽は成り立たないことになってしまいます。自分は音が(絶対音)が取れないから、表現などまだまだでまずは絶対音感を鍛える、という修行のような考えが流布しているのですが、イメージの方に引っ張られて、本来の楽音(音楽の音)の豊かさの方に耳がいかないのはとても残念なことです。
音を取ることの中にすでに音楽があり、芸術的行為として体験しながら
それに導かれて自然音程が取れていく、というのが理想的な学び方だと私は考えています。
それはどういうことでしょうか?
音と音の間に音楽がある
音楽プロセス体験という理論に基けば、音楽は音と音の間に生まれ、私たちの体験もその音と音の間に生まれる、ということになるので、ミの音だけを取り出して「これはミです」というようなことはしません。
必ず、二つの音があり、その音と音の間を聞く習慣をつけます。
これは幼児期から徹底していて、活用しているおとえほんでは、1ページ目から音ではなく音の動きに耳を傾けられるようにしています。
音程とは
音と音の間の幅のことを音楽用語で「音程」と言います。
ミとレの間に、幅があるなんて、意味がわからない、という人もいます。
そしてそれは確かに不思議がられるのも無理はないと思うのです。
だって、ピアノの弦だって、ミはミ、レはレ、別々の弦で音が鳴っているじゃないですか。
その間に幅なんてない、物理的ある幅は、距離であって、幅ではない。
幅があるのは、音世界において、です。
![音程をドローイングで実感していく](https://i0.wp.com/utenamuse.jp/manage/wp-content/uploads/2024/02/c0be0105098e09148eb38b56d9b695ae.jpg?resize=700%2C718&ssl=1)
音階っていうのも罪ですよね。
一段一段上がっていったり下がって行ったりするイメージ。
このイメージにも少なからず引っ張られてしまっている現象が見受けられます。
でも、
音と音の高さの間は、段ではなくて、幅のイメージを持つことで聞こえ方が全然違ってきます。
上がる、下がる、のイメージは大事です。
物理的には上も下もないわけですが、周波数が細かいほど高く聞こえます。
この上下の感覚が、幅のイメージに繋がっています。
この観点で「幅感」を掴みながら音の上がり下がりを体験していくことで、
音程が取れない、という現象の平面的な捉え方から抜け出した体験をすることができます。
上下がわからない、という人もいます。
大丈夫、この方法で学習していくことで、自然、上がり下がりの感覚も身についてきます。
(ただし、きちんと学んでいただいて、1年くらいはかかると思ってください。)
全音と半音の違いや音程に関心を持とう
![](https://i0.wp.com/utenamuse.jp/manage/wp-content/uploads/2024/02/86ad2029c62af048288bfd85b4c0d3ad.jpg?resize=700%2C428&ssl=1)
そして、音の幅、音程がひとつづつ上がったり降りたりして
音階(スケール)ドレミファソラシド ができるわけですが、
ここでもつまづきやすい問題が転がっています。
ピアノの鍵盤をドレミファソラシド、と辿ってみると、どれも同じ鍵盤で同じ幅で横に並んでいます。
これは、人間の指で弾きやすいように、そうなっているわけですよね。
でも、ドとレの間が幅だとして、じゃあどこも同じ幅かというと、音世界では、違うのです。
ドとレの間の幅を「全音」と言います。そしてレとミの間も「全音」
けれど、ミとファの間はちょっと狭くて「半音」なのです。
音の幅は一つではない、ということですね。
これも理屈ではなくて、体感で掴むところです。
![音程を取るためのワーク
音楽プロセス体験](https://i0.wp.com/utenamuse.jp/manage/wp-content/uploads/2024/02/17894127154cfe477e1f6165bc4339e0.jpeg?resize=700%2C404&ssl=1)
音程が取れない現象を観察してみる
音程のはずれかたにも個性がある
音痴、と十把一絡げに言っても、実際観察してみると、いろんなパターンがあります。
歌ってもらうと、その人のイメージしている音程感も見えてきます。
私が出会ってきたパターンをみてみましょう。
音程が取れない人のパターン
- 音幅が全くイメージできない。
- 音幅が狭い
- 音幅が広すぎる
- 半音の感覚がないから、ミとファあたりでつまづく
- 音はばが安定しない。(私はどちらかというとこのパターン)
- 上がる時に音程がずれていく
- 降りる時に音程がずれていく
これを読んでいるあなたは、どのパターンになりそうですか?
と言われても、きっとよくわからないですよね。
これも、音高を描くことで診断していきますし、これは本人にもわかるようになってきます。
さらに、メロディを歌ってもらうと、4度音程にいつも躓く人とか、半音がいつも取れなくて立ち往生するとか、そういったパターンも見えてきます。
![音程を感じるドローイング](https://i0.wp.com/utenamuse.jp/manage/wp-content/uploads/2024/02/3d91d86b769566656653ad8443754ee4.jpg?resize=700%2C525&ssl=1)
自分で気づき、自分で修正していく
まずは音幅に慣れ、音程を体験していく。
基本のワークでは体感を育てるために、音程を感じながらドローイングします。
これを音楽プロセス体験と言います。
自分でわかるようになるから、自分で修正できる
可視化された音程によって、自分の癖が見えてきます。
そこには音楽理論も埋め込まれています。
音楽理論が見えてきて、そこに音が乗っかっていくのがわかるから
その中に飛び込んでいけるのです。
正解ではなく、理解を目指しましょう。
ワークショップ・レッスン・サブスクのお誘い
音楽プロセス体験は音と音の間の出来事を具に見ていくワークです。
この記事に興味を持っていただいたあなたにおすすめなのは、
まずは、オンラインでの個人ワークです。
マンツーマンで実際にお声を聞きながらやっていきますので、
よく理解して自分のペースでやれると思います。
上にも書いたように、一言で音程が取れない、音痴、と言っても、千差万別です。
たった一回のレッスンで理解がうんと進んで、修正していけるケースもあれば、
時間をかけて丁寧に進めていかなければならないケースもあります。
そして、もちろん、ただの音程の練習であっても、芸術的体験です。
好きなメロディもこの練習を重ねることで、
滑らかで自由な歌いかたに育って行ってくれるでしょう。
個人レッスンの詳細はこちらです。
もう一つはオンラインでのワークショップで継続的に学んでいただく方法もあります。
ただし、音程を取る練習だけではなく、音楽全般への理解と実感を扱っています。
2024年5月〜6月には新しいプラットフォームで快適に学んでいただける環境を整備しご提供できる予定です。
まとめ
音程が取れない、音程が合わない、ずれる、という悩みを抱えておられる方には、
音に対するイメージが十分でない、という現象があります。
自分の耳で確かめながら、音に対するイメージをよりその本質的なものに近づけること、内的にリアルな音楽フィールドを育成することによって、聞こえてくる音がより立体的になります。
ぜひ、音の幅に関心を寄せていただいて、音楽のある暮らしに役立ててみてください。
以上 utena music fieldの谷中でした。