音と音の間にあるものがきこえるように【子どものワーク】
今日は幼児さんと2年生のグループワークの日でした。
utena music field では、音と音の間へのまなざしが育つように工夫しています。
そのために大事な役目を果たしてくれるのが、このグループワークです。
幼児さんは、子どもたちにもよく馴染んでいるわらべうたや童謡を使いながら、拍感、音の上がり下がり、緩急、音の質感などを心地よく共有しながら、何よりも子どもたち自身が、音と音のあいだに耳を傾けられるようにします。
感覚は、おとなが「こうしなさい」と言って大人の思うようになるものではありません。
でも、ふざけるのが楽しかったり、自分の言いたいことでいっぱいのこの時期の子どもたち。
さて、どうしたもんだろう。
と今日、思いついたことを試してみました。
幼児さんに、今まで音遊びで使っていた鈴を手のひらの中に握ってもらって、
「私がピアノを弾くから、この鈴を静かにさせてあげてね、そしたらよくきこえるからね」
と声かけをして、ピアノを弾きました。
曲はシューマンのユーゲントアルバムという、とても可愛らしい組曲の中から選びました。
ゆったりした曲を弾いている間に、スズメのちゅんちゅんさえずる音も聞こえます。
普段いろんな視覚情報や聴覚情報に囲まれている現代の子どもたちは、自分の感覚を伸ばすまでもなく、たくさんの情報がわいわいとやってくる環境に置かれています。鈴はこの時、それについて行ってしまう感覚をとどめる小さな鍵。子どもたちは自分の中にじっと留まって、静かな気持ちで聞くことができたでしょうかね。ちょっとした思いつきでした。
2年生は、スケールのワーク。
ドレミファソラシド、という音階は点ではなくて、それぞれの音と音の間には「音程」という幅があります。今日は長調の音階(スケール)がどんなふうな音幅で並んでいるか、を実感しながら歌ったり描いたりしました。この実感を持つことで、あとで♯や♭が出てきて、メロディの高さが変わって行っても混乱しないで演奏ができるようになるのです。
一つ音が増えるたびに色鉛筆の色を変えるので、どんどん綺麗になっていくのも楽しいところ。
今日は二人きりのワークでしたが、色がちょうど反対のグラデーションになっていました。
数比的なところの美しさ。
理屈は忘れてもいいので、この体感を無意識に心地よさとして積み重ねていきます。
わからないことをやらされるのは大変、utena music field では、理解し、体にしっかり落とし込んだ音楽的フィールドを使って、自分の音楽ができるように、ゆっくり丁寧に基礎理論と実感を伝えています。
楽しかったかな?
楽しいって、どういうことかな?
来月もできるといいね。