まえがき/2-3ページ/音楽リテラシーワークブック1

音楽の海に漕ぎ出す船を!

大人も子どももここから始める音楽ワークブックができました。

このワークブックは、ひとりひとりが音楽の海に漕ぎ出す小回りのきく船を作るようなつもりで作っています。

音楽の海に乗りだすには、船の設計図が必要です。
その設計図に則ってつくるその船は、まず手抜きのない仕立てであること、応用が効くこと、それから、自分で運転ができること。
そして音楽の海は深く広いもので、一概に正解、というものがあるようで、ない。
ないようで、でもその深さゆえに、様々な意味での美しさが潜んでいているし、人間を導いてもくれるものです。

多くの人は、音程が取れるようになる、リズム感がつく、楽譜が読めるようになる、楽器が演奏できるということを当面の目的としがちですが、本来の目的はそこではなく、きっとだれもがその先に音楽の海へ自分で漕ぎ出したいという思いがあるはずで、そこを人はつい忘れがちになってしまいます。
このワークブックでは、ある一定の事ができるようになってから音楽がはじまるのではなく、始めの一歩から、そしてどこまでも、音楽とともにあるためにだいじなのはなんだったかと考えながら作りました。

海が小さな泉から始まるように、最初は本当に小さな小さな音楽の湧き水をすくいあげるようなところから始まります。

人は音楽するとき、どんな体験をしているのか

体験というのは、その人のもので、今ここにおいて現実おきていることで、
体験であるというリアリティという意味で、それは全面的に肯定すべきものです。
ただし、まだまだ音楽という領域は深いです。
そこからどんな体験と知識を加え、何を手放していくかという道筋。”音楽と仲良くなりたい”と歩みだしたすべての人はレベルに関わらず、この道を一生進み続けます。ときにくじけながらときに遊ぶようにして。
私は30年ほど、生徒さんや出会ってきた人たちの音楽体験をそばで感じながら暮らして来ました。
そして、そのなかで音楽を自分のものとして体験できるようになるために、最小限必要なことは何かということを抽出し、このワークブックに折り込みました。そして、多くの人がつまづきがちなこと、誤解されて伝わってきてることも見てきたので、その轍に落ち込まない工夫も考えました。

いちばん大事なことはこのワークブックを手にする人が「自分の感じること」を手放さず、常に大切に扱い、体験そのものの質を高めていくことであり、それは、これを作成した私の願いでもあります。
それは他者からコピーするだけでは足らず、自分自身が自分に問わなければ決してできないことなのです。
そうすることで、「使える」音楽知識が広がっていくでしょう。
そうやって自分の内側に音楽するフィールドが生まれてくるでしょう。楽しみですね!

今までの音楽レッスンや音楽理論・ソルフェージュなどとこのワークのちがいは、「音楽体験」をベースにしながら、進んでいることです。
そうしたことを踏まえ、utena music field のこうした取り組みを音楽理論でもなくソルフェージュでもなく、あえて「音楽リテラシー」と呼んでいます。それでは、音楽リテラシーワークブックをこれから、はじめましょう!

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